「五月雨20ラブ」 (1) − ベースの反復(refrain)、雨(rain)の雫

 タイトルから駄洒落ですみません。(※)
 
 「五月雨20ラブ」(放課後ティータイムIIけいおん!!

 この曲でまず耳に残るのは、イントロからひたすら反復される、半音進行とシンコペーションのノリが印象的なベースのリフ。今までの「放課後ティータイム」とは何か違う。明というより暗。昼というより夜。ちょっと大人。

 ところが、何度も聴いているうちに、やっぱりこの曲も「放課後ティータイム」、もっと言えば「澪」全開という印象に変わってきました。

 曲だけ聴くと、とりわけAメロで繰り返されるベースのリフを中心に聴いていると、ある種の退廃、倦怠感すら感じられる。「ふわふわ時間」とか「ぴゅあぴゅあはーと」とか演っている女子高生バンド(という設定)の曲とは思えない。

 でも、歌詞をよく聴くと、全然そんな感じじゃない。
 雨粒はあくまで「ソーダ水みたい」で「小鳥のミニティアラ」で「電線のペンダントトップ」。Aメロ〜Bメロはマイナーコードの反復で、同じところで揺れ動く気持ちのようだけれど、それ自体キラキラしてる。
 それでサビに来ると、メジャーに転調して、一気に光が射す。まだ雨は降っているけれど、「雨雲ちぎる手をポケットから出すよ」。気持ちとしては晴れに向かっている。ネガティブではなくポジティブ。

 あと、テンポにも着目。1曲目から通して聴くと、この曲で少しギアを落としているようにも聞こえるけど、この曲単独で聴くと結構速いです。


(※)そもそも"refrain"は"ref-rain"じゃなく"re-frain"だし。