【誇大】ベートーヴェン、ロックンロールを200年ほど先取り?【公告】

 ベートーヴェンに「ヴァルトシュタイン」というピアノソナタがあります。(第21番 ハ長調

 クラシックが好きな人には結構有名。そうでない人には?かも。
 この曲の第1楽章冒頭、速い8分音符の和音連打で始まります。
 これが何というか、「推進力」の見本みたい。
 200年も前の曲なのに、ここだけ聴くとほとんどロックンロール。もちろんベートーヴェンはそんなの知らなかった筈だけど。

 個人的なおすすめはこの人。

Alfred Brendel - Beethoven The Complete Piano Sonatas

Alfred Brendel - Beethoven The Complete Piano Sonatas

 この人の演奏だと、冒頭の連打を弱音から始めて、徐々にクレッシェンドしていく。機械的な速さじゃない、有機的な推進力。静かな切迫感。
 この人の演奏を評して、「学究的、理屈っぽい、つまらない」という人が多いらしいけど、全然そんなことない。(※ 若い頃は結構そうだったみたいだけど。)
 むしろ、「ライブに萌える燃える」(※)タイプじゃないか。

 (※)例としては、ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィア」。ライブ演奏に萌え燃え。
   (上のピアノソナタ全集に入ってます。)


 それと、何と言っても凄いのは第3楽章。
 この曲を評して「海のソナタ」(※)と言う人もいるらしいけど、真偽のほどはともかく、この演奏だとそれが頷ける。
 光射す明るい水底から、海面の乱反射を見上げているような感じ。波のように豊かで、ゆったりとして、キラキラしてる。

 (※)他に、「オーロラ」という別名もあるそうです。


 ちなみに、第1楽章冒頭の「ロックンロール」感。
 8ビートのコード連打で始まる曲は、ロックではそれこそ凡百とありそうだけど、とりあえずこの曲を挙げておきます。
 (YouTube にオフィシャルで載せられているようなので、多分大丈夫。)

 ……本当は、ウェンブリーでのラストライブ(1986)の方が演奏のメリハリ(ブレンデルのヴァルトシュタイン以上に、冒頭の8分連打にかなり強弱をつけて抑揚を出してます)で断然上だと思うけど、引用して良さそうな映像がない。
 (YouTubeには多分あるので、見たい人は自己責任でどうぞ。)
 とりあえずウェンブリーでのライブDVDを最後に紹介しておきます。

Live at Wembley Stadium [DVD] [Import]

Live at Wembley Stadium [DVD] [Import]

 ……次回は「放課後ティータイムII」に戻る。はず。多分。